<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>手について [1/2]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><strong>芸術性理論研究室<br><font size=3 color=#646f76>M<font color=#667077>e</font><font color=#677279>t</font><font color=#68757c>a</font><font color=#60777e>f</font><font color=#717b82>o</font><font color=#747e85>r</font><font color=#7a8389>c</font><font color=#80898f>e</font><font color=#889096> I</font><font color=#8e9698>c</font><font color=#959da1>o</font><font color=#9ea5a9>n</font><font color=#a7adb1>o</font><font color=#b0b6b9>c</font><font color=#b6bcbf>l</font><font color=#bdc2c5>a</font><font color=#c7c8ce>s</font><font color=#d6d9da>m</font></font></strong></div><div align=center><font size=1>[<a href=../index.html>HOME</a>]<br>&or;<!--#include file="./2007.txt" --><br>[コラム] 10.31.2007</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3 color=#12123d>手について [1/2]</font></div><div align=right><font color=#351923>ayanori [高岡 礼典]</font></strong><br><font size=1>─</font></div><div align=center><font size=1>【 頁：1：<a href=103107-2.htm> 2 </a> 】</font></div><font color=#12123d><p>　ひらいた手を内側からじっと見つめてみます。一般的な健常者ならば、五本の指がひとつの面(手の平)から生えているのが確認できるはずです。そこで、ゆっくりと指を折り曲げ、握りしめ、拳を形作ってみましょう。すると、日本語では同じ「指」として形容されている手の可動構造にも大きく二種類あることが分かります。人差し指・中指・薬指・小指は垂直方向に沿って手前へと巻き込まれながら倒れてくるのですが、親指だけは包み込むような重曲線を描きつつ、他の四本の指とは交叉する位置に落ち着きます。指に関して厳しく機能的区別を行なうと、Y方向の四本は&ldquo;&nbsp;finger(s)&nbsp;&rdquo;でくくられ、X方向の親指は&ldquo;&nbsp;thumb&nbsp;&rdquo;として特化されます<font size=1 color=#664444>(*)</font>。もちろん四本の指の中にもそれぞれ特性はあります。生活にそれほど影響がなさそうな「薬指・小指」がなければ、物を握った時に知覚・創発するボリューム・強度は大きく変異してしまうことでしょう。しかし親指は骨格的な理由だけで特別扱いをうけているわけではありません。親指の第二関節・人差し指の第三関節・手首を結ぶ三角形にある「膜」が、その動きに伴う点が他の四本とは決定的に異なっています。水掻きや翼膜を選択しなかった人類も、よく観察してみると、手の平の一部分を膜化し、積極的に利用していることが見て取れます。</p><p><font size=1 color=#664444>(*)坂本賢三『機械の現象学』岩波書店1975　54頁。このコラムの参考箇所として他には、98頁等。</font></p><p>　こらえきれずに二の腕をつかみ、握りしめ、愛する人を強く引き寄せた時に、手から感じ取る超越感は、この親指の膜が重要な役目を担っています。それは手にある多種多様な感覚与件の間隙を埋め、統合しているとさえいえます。それを知るためには、手を日本文化的な知覚・認識的な区別へと戻す必要があります。面積的に手は大きく平坦な「手の平」と細長い「五本の指」によって構成されています。指も内側全体が「平」のようですが、「指の先端」があることにより、「手の平」とは異なる感覚器官として区別されます。それは限点でありながらも、積極的に与件を取得・創発する特殊な触覚です。つまり「指と手の平」は認識域を『点と面』へと導く乖離的な関係にあり、手はその無機的な二元をひとつに兼ね備えているものといえます。</p><p>&gt;&gt;<a href=103107-2.htm>次頁へ進む</a></p></font><font size=1><div align=center>【 頁：1：<a href=103107-2.htm> 2 </a> 】</div><!--#include file="./footer.txt" --></body></html>