<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>愛と恋 [3/5]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><font size=1>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>&or;<br>[<a href=../index.html>研究レポート目次</a>]<br>&or;<br>[004]</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3>愛と恋 [3/5]</font></strong></div><div align=right><font size=1>─</div><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：3：<a href=4.htm> 4 </a>：<a href=5.htm> 5 </a> 】</font></div><p>＊＊</p><p>　質的飛躍の局面は古来より描写され続けている。アウグスティヌスを筆頭とする教父時代における「神秘」、三位一体論における「聖霊なる神」、近現代ではソシュールの「シニフィアンとシニフィエの恣意性」、後期メルロ・ポンティー、初期デリダなどを代表とする現代フランス思想等きりがない。以上の論述では若干定義を更新しているので指摘しておきたい。</p><p>　父なる神と子なる神による嫡子である「聖霊なる神」はシステム／構成素間の愛として捉えるのならば相互性ではなく、システムによる主体性へと還元した。これは伝達不可能性の前提に準拠した現象学的システム論的定義である。ソシュールにおける「恣意性」は言うまでもなく恋であり、それによって新たな経験と構造空間内への作用を可能にする。フランス思想に関してここで詳論することは避けるが、軸になる観点は聖霊一元論による認知レベルにおける二元論発生の物語として見れば理解の加速度を得られることだろう。メルロ・ポンティーやデリダが難解な理由も、本来的に知性の対象外のものを核・原理に据えているためである。</p><p>　愛と恋の区別は我々を自明の自明へと誘い、連接史を結節史へと変貌させ、ラディカルな生を可能とするだろう。愛の無謬性は内属性であり、それは理性の道具ではない。愛の無謬性は背後からの亡霊の囁きである。長らく思想史は愛と恋の同時導入がなかったために質的飛躍の局面を上手く把握できなかったのである。</p><p>＊＊＊</p><p>　愛の線形性、恋の非線形性。前者を男性原理、後者を女性原理と換言することも可能である。男性は同一性を女性は非同一性を原理としている。各々の作られた理想像とは社会システムへオリエンテートするため、その本性を隠蔽ないし拡大する狡知である。同一性によって社会概念は発生するが循環性がなければ社会の拡大再生産は不可能である。遍在する男性へのインモラルは社会システムにとってモラルとして機能している。それに対して女性への拘束的モラルとは社会参加へのレディネスを得るためのオリエンテーションである。ここでは似非生物学的倫理観とは逆説を述べているが、そもそも倫理とは作られたものである。事実即規範が絶対であるのならば、初めから倫理など作られなかったことだろう。しかし、ここでは上述の説を首肯的に採択するわけではない。倫理学において性別のレトリックが適応可能なほど一義的ではないことは自明のことであり、構造的形式を称する言葉を論理形式の標識として転用することはカテゴリーミステイクでありミスリーディングであろう。愛と恋は同一性と非同一性の区別の際に批判理論として利用されるにとどめるべきである。</p><p>　恋は常に関係対象を変えていく。恋を原理とする者どうしが対峙してもそこに社会概念は発生しない。恋は構造即構造主義であり無意味に振る舞う即自性である。結節不可能なコミュニケーションは社会史という系には組み込まれない。ここでルーマンによる「社会システムの構成要素はコミュニケーションである」という定義は更新されねばならない。コミュニケーションには愛と恋の二義がある。ルーマンの定義に適うものは愛のみであり、恋は言及されてはいない。</p><p>&gt;&gt;<a href=4.htm>次頁へ進む</a></p><div align=center><font size=1>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：3：<a href=4.htm> 4 </a>：<a href=5.htm> 5 </a> 】</div><div>─<br>─</div><div align=right>&copy; <a href=../../copy.htm>ayanori.jp</a><br>─<br>─<br>[△<a href=#top>PAGE TOP</a>]<br>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>[<a href=../../map.htm accesskey=0 directkey=0 nonumber>MAP</a>]</div></font></font></body></html>