<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>無根拠性について [4/4]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><font size=1>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>&or;<br>[<a href=../index.html>研究レポート目次</a>]<br>&or;<br>[011]</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3>無根拠性について [4/4]</font></strong></div><div align=right><font size=1>─</div><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</font></div><p>　これまで論述してきた局面全体を無根拠であるが故の根拠遡源と言いたいところだが上述の比喩はそれ以上を含意している。「意味」の総論が文脈論であるからといって意味の意味へと向かう論理的運動はファーストオーダーの把握可能を前提とした循環ではない。「sはqである。qはyである。」という命題が論理的に成立し「ゆえにsはyである」と言えたとしても、前件と帰結の「s」は同一の原理によって産出されたわけでもなく、また同一の「s」でもない。システムは一度フォーカスした自己域を再度見ることはない筈である。それが可能ならば再会を再会として定義することができず、初会のみよって満たされることになるだろう。このメタ・プロセスの二度と戻ることのできない非循環過程の図式は円環でもなければ螺旋でもない。円環は既視感の連続性を示唆してしまうし、螺旋は確定的な第一原因の直知を可能としてしまう。線形であろうが非線形であろうがシステムの運動性を写像する図式構造を用意することはできない。この局面は前シークエンスを代表する述語によって決定化された形式枠を充足していく自己深化といった概念的把握までしかできないのである。</p><p>　ここで根拠の根拠を無根拠へとは帰結させない。根拠がないことの論証は根拠を志向してしまうためそれは論理的越権であり、そこに甘んずるわけにはいかない。</p><p>　本来「根拠」とは自分で自分を指し示さない可逆的かつスタティックな他者指向語である。システムが産出・把握することによって知り得るものとはすべて自己域にある他者一般であり、自己自体であり、システムの意志といったイニシアティブによって性や様相を変えられるダイナミックな現構成素集『今』でしかない。そのため過去把握とは過去のものとして新たに産出された現在であり過去自体ではないことになる。それが過去そのものの把捉ならば時系列のパラドクスによりシステムは自己を失うことだろう。つまり未来も含め、過去(根拠)とは現在との対概念ではなく参照動因の動的化による現在の形式枠内を充足するひとつの構成素集であり、本質的に同類でありながらも異なるカテゴリーに属するものなのである。それはシステムが不可逆深化をくり返す以上「根拠」や「根拠の根拠」に対しては一言の判断も下すことができず、無根拠とすら述べることができないことを意味している。</p><p>&nbsp;</p><p>＊＊＊</p><p>　心的システムは述語形式を創発することによって根拠を求める運動から不可避となってしまう。自己を基礎付ける根拠とは自己を連続的に構成していく原理であるため未来把持(予言)もできぬまま行為から逃れられない縮減者にとっては至上の希求対象となる。古来よりこの不安を隠蔽するために不死の魂や神、系図、トーテム、姓といった多くのアイデアが作られてきた。その効力が衰退した現代では科学や技術を利用して多くの代案を用意するがそれもシステムの性質上、概念に限定されたあり得ないものでしかない。帰納的な根拠は社会を軋轢で満たしてしまうが、演繹的な根拠は問いただしても何も答えられない空虚な個人を作り出してしまう。</p><p>　我々はここでプラトンを超えてシステムは死だけではなく発生すらも言及できないことに気付き、それによって妥当な自責と他者の尊重を知ることになる。</p><p align=center><font size=1>METAFORCE ICONOCLASM 2005<br>ayanori [高岡 礼典]</p><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</div><div>─<br>─</div><div align=right>&copy; <a href=../../copy.htm>ayanori.jp</a><br>─<br>─<br>[△<a href=#top>PAGE TOP</a>]<br>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>[<a href=../../map.htm accesskey=0 directkey=0 nonumber>MAP</a>]</div></font></font></body></html>