<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>肌と肌理 [4/4]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><font size=1>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>&or;<br>[<a href=../index.html>研究レポート目次</a>]<br>&or;<br>[019]</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3>肌と肌理 [4/4]</font></strong></div><div align=right><font size=1>─</div><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</font></div><p>&gt;&gt; これをソリッドな神経原理によって描写すれば、点と距離の弁別閾的な立論になるかもしれないが、この論法では、動かすことなくそっと触れたままの状態にある肌理以前の面認識が説明できない。触覚に最小の識閾を認めつつも、面の現象を可能にするには、システムの連動性による知覚待機を積極化する必要があるように思える。当然、肌も他の感覚同様に刺激という未規定な他者項を待たなければ情報創発は不可能である。何かに触れなければ、誰かに触れられなければ、部分としての肌は何も感じないことは述べるまでもない。しかし、時速的問題を内包しているにもかかわらず、面概念は触れた途端に悟り知るかのように表れてしまう。そこで我々は触知の「動作なき作動」は面性を第一的にプログラムすると設定・定義したい。熟読しなくとも一瞥でそれが文章であると判別可能であるように、面は部分の鳥瞰として認識される。前提としての面性は肌理形式の確保となり、読解的な遷移運動が面性を充足することによって、肌理内容が現象する。単一視点のパースペクティブ延長を自己同一的な面として認識する点は首肯期待が十分可能であるが、面性原理による点認識については、多少の吟味が必要かもしれない。そもそも認識論理において点なるものがないように「点対象」の認識は自己の裏返しであるかのようである。そこで研ぎ澄ましたニードルを用意して、その先端部分を自らの肌におしあててみよう。数理的に複合性を指示しないそれに、誰もが「一点」なるものを認識することだろう。しかしその「一点」はどこまでの「一点」なのだろうか。次に、ニードルより細い毛針、それより太いボールペンの先端をおしあててみる。これらもニードル同様に、それぞれ『一点』現象の契機として知覚するであろう。ここで被験者は点の強度や点の集合による面なる概念等へと至るかもしれないが、可塑性ある妥当な描写は面の強度にある。幾何学的な点と実制作的な点とでは、後者に必ず面積がある点を見落としてはならない。触覚において点とは面に包摂されるひとつの種でしかない。このエレメント不在の帰結によって、触覚における文脈がコンテクスト理論や生成文法とは親和性なきものであることが分かる。肌は文字も単語も文法も分節もなく、内容を創発する。そこにカテゴリーミステイクなどあるわけもなく、無知を無効化していく。有機的な面性原理によって、無意味であるかのうように思える脱境界的な「永き抱擁」にも情動の豊穣が許される。この面の豊饒性により、生得性を誤読してしまいそうになるが、次場面のクローリングによって、それがミスリードであることに気付く。</p><p>　肌理を感じ取る連続運動の最中に第一場面における「面」は存在しない。静止と運動は背反的であるがために、対象表面をなぞる肌も当初の面を失ってしまう。遷移運動を与件として創られる肌理内容には静的な面などといったものは見つけられないはずである。複数の対象が擦れあう摩擦場面という観察は心的現象的には無機的な広がりを超えている。それは「接点」という不可視・不可侵の絶対的な闇の中で、当事者どうし、もしくは第一者のみが巻き込まれ続ける境域である。他者の肌を触れ続ける指先は触れている箇所のみを知る無理解であるが、愛撫する指先は知なき理解というパラドキシカルなディレンマの中で他者を求め、ただひたすらに言及の隙間を閉ざし続けている。</p><p align=center><font size=1>METAFORCE ICONOCLASM 2007<br>ayanori [高岡 礼典]</p><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</div><div>─<br>─</div><div align=right>&copy; <a href=../../copy.htm>ayanori.jp</a><br>─<br>─<br>[△<a href=#top>PAGE TOP</a>]<br>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>[<a href=../../map.htm accesskey=0 directkey=0 nonumber>MAP</a>]</div></font></font></body></html>