<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>オルガスム [2/5]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><font size=1>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>&or;<br>[<a href=../index.html>研究レポート目次</a>]<br>&or;<br>[020]</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3>オルガスム [2/5]</font></strong></div><div align=right><font size=1>─</div><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：2：<a href=3.htm> 3 </a>：<a href=4.htm> 4 </a>：<a href=5.htm> 5 </a> 】</font></div><p>＊</p><p>　それでは、オルガスムの一般指示構造から確認したい。日常の我々がオルガスムを創発するには、どのような方法を選択しても、生殖器を用いる。性別に関係なくそこへ断続的な摩擦をくわえると、一頻りの後に、性成熟を通過した成人男性なら射精を、女性ならば膣の蠕動・収縮を観察(自己省察)できるに至るだろう。出来事としてのオルガスムはこれ以上の叙述を不必要にする単純な器官表情であるが、多くの者が上記だけでは絶頂を観られないことと思う。字義どおりに「生殖器を断続的に摩擦」しても、一時の性的感覚があろうと、オルガスムへとは帰結しないだろう。生殖器を傷付けることなく性的感覚を創発する(させる)ような肌理を持つ第二構造が足りないばかりではなく、それ以前に「断続的な」という単線系記述と「くわえると、一頻りの後に」というプロセス記述がオルガスムを何ひとつ指し示してなどいないのである。「絶頂」という形容に着目すれば、連続愛撫が妥当ではないことに多少は気付けるが、上昇性だけでは連続／非連続を両立しているので、自らの自慰を注意深く再読してみるとよい。すると、即座に生殖器という比較的限られたせまい器官領域の中にも、様々な種類の性的感覚の帯域があることが分かる。それを「手さぐり」で探し出していくのだが、その探索は最も過剰に性的感覚を創発する箇所の特定・剔出だけが目的ではなく、詳細な区別(コンビネーション)と順列化(パーミュテイション)にある。あらゆる情動変化にイントロダクションがあるように、「あまり感じない箇所」も「弱く感じる箇所」として確保していく。それは絶頂への入口と道のりを構成する。自身の生殖器を愛撫する指先は規則正しい律動ではなく、自慰者の現状に応じて、アドホックな動きを見せる。繰り返されていく慰めは、反復の中に「まよい」とも「ゆらぎ」ともとれる休符・読点を含む。この一瞬の滞留が前場面までの数々を文節化し、次場面の愛撫を特化する。休符という現段階における帰結は自慰以前との差異をつくり、目的遂行への動因・次場面の愛撫を要求するが、同時にこの休符は再構成を担っているため、オルガスムへの産出系とは並列関係にある制御系になる。つまりこの段階の制作内容は反省的であるため「隙」となり、再び自慰行為へと戻るには、オルガスムへの意志が必要になる。ここでそれを感覚とするには乱暴であることが分かるとともに、性交が相愛を裏切る理由も分かる。連続する意志によって、間断なる愛撫内容をひと綴りの文章構造へと編み上げる。その最後の句点が絶頂ならば、それは感覚を超えているといえる。一般的な自慰行為は感覚対象を契機にしつつも、愛撫の休止段階で非対称的な文脈をプログラムしていく。この前場面までの文脈強度をオルガスムは条件とするが、それを「強度」としか形容できないため、メカニズムは無効となり、愛撫とオルガスムは無理解なコンサマトリズムで結節されることになる。オルガスムに限定対応する対象は不在によって相変わらずの超越を示唆侮蔑しているかのようである。生殖器に障害を持たない健常者であろうと、帯域を寸分違わず見つけ出し、性的感覚を激しく導いていく指先であろうと、オルガスムは行為者の意志(野心)の集束によって召喚(インスピレート)され、制作される作品である。そして、このオルガスムの知的自体性によって、「性」が『心ある生』と表記される所以が守られている。</p><p>&gt;&gt;<a href=3.htm>次頁へ進む</a></p><div align=center><font size=1>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：2：<a href=3.htm> 3 </a>：<a href=4.htm> 4 </a>：<a href=5.htm> 5 </a> 】</div><div>─<br>─</div><div align=right>&copy; <a href=../../copy.htm>ayanori.jp</a><br>─<br>─<br>[△<a href=#top>PAGE TOP</a>]<br>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>[<a href=../../map.htm accesskey=0 directkey=0 nonumber>MAP</a>]</div></font></font></body></html>