<html><head><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"><title>懐胎と分娩 4 [4/4]：芸術性理論研究室 metaforce iconoclasm</title></head><body bgcolor=#FFFFFF background=bg.jpg text=#303030 link=#303030 vlink=#505050><font size=2><a name=top></a><div align=center><font size=1>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>&or;<br>[<a href=../index.html>研究レポート目次</a>]<br>&or;<br>[025]</font></div><div><font size=1>─</font><br><strong><font size=3>懐胎と分娩 4 [4/4]</font></strong></div><div align=right><font size=1>─</div><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</font></div>
<p>&gt;&gt;暗黙の侵犯禁忌である共約界を内属的に所有している強度と、附帯的に抗おうとする(力)との相即的共働によって守りぬく姿は、遅延も操作もない無矛盾な過去の現在制作であり、産まれ出る『許し』の始まりである。陰部から溢れ出る羊水は、制御不可能な勢いで股を濡らし、現出した新たな『ぬくもり』と、それを拭い取り、付着する手の感触によって、前場面の破裂を比喩付ける。ここではまだ依然として、胎児は自らの臓器のひとつではあるが、もしもなぞる手の指先が自身の膣口に触れたとするのならば、懐胎=分娩者は、その質感の変化によって、そこにある自己に只ならぬ何かを感じ取ることだろう。それは最早、我々が良く知る不明確な淑やかさではなく、強度を増した(出)口へと変貌している事実を知らせるに至り、未知へと臨む漲りを開かせるはずである。内実的には、開いた子宮口が膣内壁と連続化を果たし、同一(面)を形成し、分娩の予科が整うのだが、観察的に見落とせない点は、外部・内部に関係なく、女性器全体が通常のそれよりもコラーゲン質等を多く含有することによって、視認可能なほどにまで、しなやかな弾性を獲得し、産道化している変位である。くりかえすが、破裂を通過した女性器は、構造関係を大きく変えることなく、質的変化によって膣を産道へとシフトさせている。ほぼ同一構造のまま機能を変化させているので、セルフ・カップリングによる系の入れ替えのようでもあるが、小陰唇等の外部性器を含めた産道全体は、指や舌、唾液等を必要とすることなく、確定的に姿を現し、見せつけている。</p><p>　生殖・泌尿器同様に、相変わらずの超構造性内属体にあるので、観察記述(視述)には妥当性が値されないものの、「何かを吐き出そうとする形」であることは認めざるをえないだろう。内側から外側へと延び開く小陰唇は、拒絶しながら身を隠すような弁や衣ではなく、男性器を包む補助でもなく、自己否定の機能によって退き、陰茎に相当する陰核は包皮の奥へと沈み込み、存在の痕跡すら見つけられないほどにまで縮小化を果たし、生れ出る世界の予料化を手伝っている。膣口は自らその口を開き、産道化した膣腔内を晒し、受精と膣鏡等による挿入の一切を拒み、破裂の事後を表現している。卵膜の破裂は、どこまでも、懐胎=分娩者の秘匿であるため、女性器の産道態は『表現(代表)』に留まるものの、とめどなく流れ出る破水現象は、なんらかの前場面を指し示し、押し戻せない方向性(力)によって、膣腔の肌理は外へと向かい、外をつくっていく。まるで泣いているかのような濡れた姿は、自己とむつみあう分化・浸透となり、対象枠を滑らかに躱していく。すり抜けたそれは、男性を切り捨て、脱性差の中で、あらゆる関係代名詞を無効化して「口」となり「莢」であることを知らせる。</p><p>　破り裂ける衝撃によって、胎児は遷移の蠢きを開始して、自重分化の劇場を懐胎・分娩者へとつくり教える。その衝撃は自己のボリュームを諭し、胎児のボリュームを告げ、振動による含意関係の中に僅かな空隙を挿入し、「剥離」の時期が訪れた旨を囁く。そしてここから分娩者の器物語が始まる。<font size=1>&nbsp;&nbsp;&gt;&gt;&nbsp;次論『懐胎と分娩&nbsp;5』へ続く。[2009年12月更新予定]</font></p><p align=center><font size=1>METAFORCE ICONOCLASM 2009<br>ayanori [高岡 礼典]</p><div align=center>【 頁：<a href=index.html> 1 </a>：<a href=2.htm> 2 </a>：<a href=3.htm> 3 </a>：4 】</div><div>─<br>─</div><div align=right>&copy; <a href=../../copy.htm>ayanori.jp</a><br>─<br>─<br>[△<a href=#top>PAGE TOP</a>]<br>[<a href=../../index.html>HOME</a>]<br>[<a href=../../map.htm accesskey=0 directkey=0 nonumber>MAP</a>]</div></font></font></body></html>